日本で初となる英語4技能に対応した子供向けオンライン英会話スクール「GLOBAL CROWN(グローバルクラウン)」を運営し、2019年2月に日本で初めて「CHIVOX(チボックス)」を導入。
課題
・オンライン英会話に慣れてきた子供たちへの教材提供
・他のオンライン英会話サービスとの差別化
導入のきっかけ
・中国の膨大なデータに裏付けされた高精度のAI評価技術
・テクノロジーで教育環境を改善
効果
・お客さまのアプリ接触時間(=学習時間)が導入前からで20%増
展望
・オフラインを上回る高品質なオンライン英会話スクールの提供
教育業界に広がる教育格差と個別ニーズ
-教育業界全体には今どのような課題がありますか?
道村氏:少子化が進む中でも学習費に関する市場は微増を続けていますが、一方で世帯年収などの影響で都市部を中心にハイレベルな教育が提供されているなど教育格差の問題は顕著になってきています。 また、学習塾の市場も伸びており、その内訳は集団系もより個別指導へのシフトが顕著です。学習塾・予備校の市場は約9,600億円と言われていますが、そのうち45%は個別指導と、子供1人1人に合わせてカスタマイズされたプログラムのニーズは高いです。
地域やITリテラシーに左右されない高品質なサービス提供
-「GLOBAL CROWN」の特徴は?
道村氏:一般的なオフラインの英会話教室は親御さんの送り迎えが必要だったり、地方だと近くに英会話教室がなかったりなど通うハードルが高いので、一番大きな特徴は通わず自宅で受講ができるという点です。 ただ、それだけだとSkypeなど他のパソコンでできるようなサービスもあります。しかし、Skypeをダウンロードして、パソコンを使ってというのはお母さんの心理的ハードルが高いので、二つ目の特徴は手元のスマホやタブレットにアプリをダウンロードして簡単に受講を開始できるという点です。 また、三つ目はネイティブレベルの英会話スキルをもちながら、子供とのコミュニケーション力も高いバイリンガルの先生を採用しています。
膨大なデータに裏付けされた高品質なAI技術による差別化
-「GLOBAL CROWN」の課題は?
道村氏:子供たちは1回20分のレッスンを週何回か受けているのですが、時間が経過するに連れて子供たちもオンラインの授業になれていきます。そうすると最初は子供に英会話を楽しんで貰えればよかった親御さんたちから、もっと伸ばしたい、勉強させたいという要望が生まれてきます。 1年くらい継続して「GLOBAL CROWN」をご利用くださっているご家庭だと、レッスン時間以外に使える自習教材がほしいという声は増えてきました。
-「CHIVOX」導入のきっかけは?
道村氏:そのようなお客さまのニーズから、自習教材の導入をちょうど検討していたところでした。また、加えて会社としては独自のアプリを作ってデータを活用するなどテクノロジーを駆使して教育課題を解決したいと思っていましたが、外からみたときに他のサービスとの差別化が難しく外部技術の活用を強めていく必要性を感じていました。 AIを自分たちで0から開発し導入するのは時間もお金もかかりますが、自習教材で活用できて、高性能なAPIがあるならそれを導入することで新しい技術を提供し、他のサービスとの差別化もはかれると感じ導入にいたりました。 質の高いデータの量が豊富であればあるほど機械学習を活用したサービスは精度が高いので、良質且つ膨大なデータを機械学習した「CHIVOX」は安心でき、サービスの導入判断は早かったです。また、テクノロジーの力で教育環境を改善していくという思いはアイードさんとも合致しました。
-「CHIVOX」導入後の反響は?
道村氏:発音は「CHIVOX」、その他ライティング、スペルチェックなど自習教材を拡充させてことで、授業だけではなく自習時間が伸び、子供たちがアプリに接触する時間、即ち学習時間が導入後20%増加しました。 また、国内でこのような英語スピーキング評価AI技術を取り入れたサービスはほぼなく、特に子ども向けに提供しているところはないので、業界内の興味関心は高いと感じています。
オフラインを超えるオンラインサービスの提供
-今後の展望は?
道村氏:個別にどう最適化していくかが今後重要になると思っており、オンラインだからこそ子供1人1人に合わせた、最適な学習プログラムが提供できると思います。 お客さまの学習データ自体はたくさん取れますが、得られたデータをどう活用し何を提供するのか?真にコンテンツを考えるのが重要になってくるので、当社としてはライブ学習(先生とのインタラクティブな勉強方法)をビジョンとしては大事にしていますが、お客さまからはライブ学習以外にも学べる環境・教材への要望があるので、アイードさんを含めた外部のパートナー企業と力を合わせて親御さんに満足いただけるサービスを提供していきたいです。 また、オンラインで学ぶことは“補完”ではなく、高品質でオフラインに匹敵するもしくは上回るものであるべきだと思っています。それを提供しない限りは市場自体が大きくならないし、いかに品質が高いサービスをオンラインで提供できるかが挑戦です。